本屋大賞【羊と鋼の森】から学ぶ1万時間の法則に至る才能とは?
『羊と鋼の森』(著・宮下奈都)を読みました。
本作は第13回本屋大賞・第1位、キノベス!2016第1位、ブランチブックアワード2015大賞などを受賞。山崎賢人主演で映画化もされました。
本作から暮らしに役立つことをピックアップします!
本屋大賞【羊と鋼の森】から学ぶ1万時間の法則に至る才能とは?
画像出典:Amazon
『羊と鋼の森』は、新人のピアノ調律師が成長していくお仕事・青春物語。
静謐(せいひつ)な文章も高く評価されましたが、ここでは生活に役立つ「1万時間の法則」と「才能」についての考え方を紹介します。
1万時間の法則に至る才能とは?
自分に才能があるのかどうか、皆さんは悩んだことありますか?
私はあります。
『羊と鋼の森』の主人公・外村(とむら)も例外ではありません。
こんなシーンがあります。
「才能がなくたって生きていけるんだよ。どこかで信じてるんだ。一万時間を越えても見えなかった何かが、二万時間をかければ見えるかもしれない。早くに見えることよりも、高く大きく見えることのほうが大事なんじゃないか」
はい、と答える声が掠れた。簡単にうなずきたくはない。ほんとうにわかったのかと聞かれれば、自信はない。だけど、真実だと思う。才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない。そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない
(羊と鋼の森文庫p246-)
秋野から一万時間説なんて信用しないと言われ、ぞくっとした外村。
●そもそも「1万時間の法則」とは?
『天才! 成功する人々の法則』(2014/1/29発売/著者:マルコム・グラッドウェル)では、スポーツ選手・小説家・ピアニスト・大犯罪者など世界レベルの技術を習得するには”1万時間が必要”と主張しています。
1万時間の法則を超えても、2万時間をかけても見たい景色がある…
そんなにできないよ、と思いませんか?
会社で1日8時間働くとして、1万時間に到達するには、1250日必要になります。
週休二日制で年間120の休みがあるとして、365日-120日=245日
1年働いて時間は…245(日)×8(時間)=1960
だいたい5年くらいかけて1万時間に到達していきます。
そうか、5年か!
石の上にも三年といいますが、5年!意外に長いですね。
ここで5年働く、1万時間に到達するのには「才能」について次の言葉がヒントになると思います。
『才能っていうのはさ、ものすごく好きだっていう気持ちなんじゃないか。どんなことがあっても、そこから離れられない執念とか、闘志とか、そういうものと似ている何か。俺はそうおもうことにしてるよ』(羊と鋼の森文庫P139)
「才能って好きだという気持ち」と言った調律師の柳の言葉です。
好きこそものの上手なれ、という言葉もありますが…
好きだから続けられる。
才能があるかないか悩むより、好きだから続けていて才能があったかのように上手になる。
1万時間の法則は、結果的に上手くなっただけで、我慢して1万時間続けていても物事を習得できるかどうか、そもそも続けていけません。
『羊と鋼の森』冒頭ではピアノの音に魅せられるシーンがあります。
トキメキや好きなことを大切にして、続けていくこと。
自分の「好き」を見つめることが「才能」の発見につながり1万時間の法則に至るのでは?
そんなことを本書で思いました。
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