日本の夏の風物詩・高校野球!
2018年夏は第100回記念大会で、例年以上の盛り上がりを見せ、大阪桐蔭が史上初となる春夏連覇2回目を達成!
しかし優勝校以上に、秋田県立の金足農業の躍進が注目され話題!とくに吉田投手の連投が感動を呼びました。
ちょっと待ってください。それって本当に良いことなのでしょうか。
今回は【高校野球】球数制限も必要!?金足農業の吉田投手を美談にしていいの?という問題について。
【高校野球】球数制限も必要!
①吉田投手は歴代2位の球数!
(出典:http://www.nhk.or.jp/osaka-blog/koushien/)
金足農業の吉田輝星投手は、5試合連続完投でチームを初の決勝進出へと導きました。
秋田県勢の決勝進出は103年ぶり。東北勢初の優勝にも王手となりましたが…
決勝では1回から得点を許し、5回12失点。準決勝までで力尽きたと言っても過言ではありません。
結局、甲子園での球数は881球。 2006年の斎藤佑樹(早稲田実業)に次ぐ歴代2位をマーク。
テレビをはじめ、メディアはその球数を美談として報じています。
果たして本当に美しい話しなのでしょうか?
②橋下徹氏が吉田投手の美談に苦言
大阪桐蔭と金足農業のメンバーには敬意。しかし金足農業の吉田選手を美談で終わらす間は、日本のスポーツ界に未来はない。吉田選手にどれだけの負担がかかり、選手寿命をどれだけ縮めたのかを科学的に明らかにすべき。それくらいのことができないなら日本のスポーツ科学論は役立たず。
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) August 22, 2018
https://t.co/pQMLs9uLPb
だから抜本的改革は学校単位の大会を止めること。選手のことを第一に考えて。そうなると学校関係者や学校に雇われている監督、高野連、朝日新聞、毎日新聞が猛反発。これくらいの改革ができないようなら、日本の改革なんて無理、無理。— 橋下徹 (@hashimoto_lo) 2018年8月22日
前大阪市長で弁護士の橋下徹氏(49)が自身の公式ツイッターで、金足農業の吉田投手の投げすぎについて言及。
学校単位も廃止を訴えました。部活動が盛んな日本では特異に感じられます。
しかし、サッカーではクラブのユースチームがあり、学校とは一線を画しています。
歴史・伝統があるので難しそうですが…。
③坂上忍が選手を心配!
フジテレビ「バイキング」(2018年8月17日放送)にて司会の坂上忍氏が投げすぎ問題についてコメント。
「184球投げて肩壊したら全部が終わっちゃう。でも高校球児は終わってもいい覚悟でやってしまう」
と心配しつつ…
「すべてアメリカを見習えというわけじゃなくて、いいものを取り入れて日本流のルールができればいいと思う」とコメントしていました。
④江川紹子が公立に不利と苦言!
金足農を称えるのはいいんだけど、選手に無理を強い、地元の子でチームを組む公立高に不利な日程は変えるべきだ、とどのメディアも言わないんですかね。準決勝の翌日は休んで、次の日に3位決定戦をやり、その次の日に決勝にすれば、双方がよいコンディションで試合に臨めたのに。 https://t.co/dC2aSemm1I
— Shoko Egawa (@amneris84) August 22, 2018
オウム真理教問題などで活躍するジャーナリスト・江川紹子氏。
誰も言わないことを提言。
今大会はタイブレークや選手の治療中の給水タイムがある等、体調面を考慮してきてはいます。
しかし吉田投手のひとりで力投以外にも、足をつる選手が続出するなど…抜本的な見直しも必要かもしれません。
⑤小中翔太氏(スポーツライター)が投げすぎを断言!
甲子園6試合、平均147球を投じPAPは則本の倍以上となる74万強。トレーナーや設備などバックアップ体制の充実するプロ野球のエースが5ヶ月で蓄積した疲労の2倍を吉田はたった2週間で超えてしまっている。しかも秋田大会の636球を含めればPAPは97万弱と100万に迫る。これはどう考えても投げ過ぎだ
出典:ヤフー
PAP(pitcher abuse point)とは、投手の消耗度を測る指標。投手酷使指数。
小中翔太氏が金足農業の吉田投手を投げすぎと断言しています。
やはり専門的な視点からも多すぎのようです。
⑥桑田真澄氏(元プロ野球選手)が球数制限を支持
まずやらなきゃいけないのは球数制限。アメリカではメジャーリーグと医師たちがデータに基づいた『ピッチスマート』というガイドラインを作成して、小学生なら何球投げたら何日空けるとかを決めて守っている。
出典:https://www.hochi.co.jp/baseball/hs/20180802-OHT1T50044.html
桑田真澄氏は球数制限をまずやるべき、とコメントしています。
東大アメフト部・森清之HCと高校野球の未来を語った対談での桑田氏の発言です。
桑田氏は、PL学園時代に甲子園で投手として活躍し、その後、読売ジャイアンツ(=巨人)を経てメジャーにも挑戦しました。
勝利至上主義からプレーヤーズ・ファーストを提言しています。
【高校野球】球数制限は必要なし?異論もあり
①里崎智也(元プロ野球選手)は球数制限に反対!7回制を提案!
球数制限を明記する必要はなく、導入するというのなら7回制でいい。投手は1イニング15球が目安だが、7回なら105球。リトルリーグや少年野球でも7回制はある。 野球のあるべき姿はあくまで9回制。どうしても球数制限導入というなら、7回制が落としどころか。
出典:日刊スポーツ
元ロッテの捕手・里崎智也氏が鋭く提案しています。
ほかの理由としは球数制限すると、選手層が厚い私立の強豪がますます強くなる。全員が大学・社会人。プロに行くわけではない。肩は消耗品というが個人差があるなど…
橋本氏の高校単位を廃止より現実味があるかもしれません。
②球数より合理的なフォームが重要!
スポーツライターの二宮清純氏が、甲子園で772球を投げた安樂智大投手について言及。
二宮氏の取材を通して、当時の安樂投手の主治医・坂山憲史氏が専門医としてフォームの重要性をコメントしていました。
「専門医の立場から言わせてもらえば、合理的なフォームこそがヒジ、肩関節を守ってくれるものなんです」
出典https://gendai.ismedia.jp/articles/-/51114
球数というよりも大事なことがあるようです。
③小林信也(スポーツライター)は球数制限に根拠なし!酷暑を問題視!
高校時代、私は投手だった。その経験も踏まえて言うが、投手が肩や肘を傷める最大の理由は投げすぎではない。
(中略)高校野球の全国大会を夏休みの時期から野球に適した秋に移行するくらいはまったく可能なはずなのに、一切検討もしない、その横暴さこそが議論の対象とされるべきだろう。
出典:https://diamond.jp/articles/-/178009
小林信也氏も自身の経験を踏まえつつ、アメリカの100球制限の根拠も乏しいと言及。
その上で、大胆にも秋に移行する持論を展開。
すべては選手を守るための提言です。
主催の新聞社は大打撃かもしれませんが…。
【高校野球】球数制限のまとめ
球数制限の議論を、2018年夏の識者コメントを中心にまとめました。
選手のことが1番大事。現状のままでは良くない、と金足農の吉田投手を見て筆者は思いますが…みなさんはどう思いますか?
すでに9月3日から開催の「第12回BFA U18アジア選手権」では球数制限が採用されることが決定しています。
球数制限が世界的流れの中で高校野球、そして日本の野球全体のあり方が問われています。
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